長田染工場に訪問




先日、縁あって、出雲の高瀬川沿いにある藍染めの長田染工場にお邪魔することができました。
職人の長田さん親子は、製作中にもかかわらず気さくに、いろいろお話いただきました。
藍染めは、化学染料と異なり、自然素材の染料で、一度に定着する量が限られているもので、
何度も染めることが必要であるが、その染める回数ごと、色に深みが増すとのお話であったと思います。
作業は、文様の筒引きから、染め工程まで、一品に20日間はかけるということですが、
婚礼や子息誕生などお祝いごとで用いられる一品であるが故
これから積み重ねられる時間に対峙する力強さが凝縮されるのでしょう。
10数回染めて仕上げるため、技術的には、文様の型がしっかりと生地に定着していないと
何度も染めることは難しくなるとのことで、
文様の定着のための糊には、餅米を使うことが一番確かであるとのお話もありました。
歴史と伝統のあるものは、いつも自然素材に行き着くような気がします。
また、下図の糊を、手書きでのせていくことで、
図柄に柔らかみが出てきて、味のある品に仕上がっていくというお話は、
建物の設計にもつながる部分があります。
自分たちも、建物の設計初期には、
手書きの作図と模型制作を行うようにしていますが、とても親近感を感じました。
今後、深みのある藍色の生地を見たら、気さくな長田さん親子の丹念な作業姿を思い出すことになりそうです。

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